「仕事も部下の成長スピードも速くなる 1分ミーティング」 石田淳 読了

「仕事も部下の成長スピードも速くなる 1分ミーティング」 石田淳 読了。
自分の中でなるほどと思ったことを備忘録として残す。

 

行動科学マネジメントには「MORSの法則」=具体性の法則という、次の4つの要素から成り立つ「行動と呼べるものの定義」があります。
‐ Measured(計測できる) = どのくらいやっているかを数えられる(数値化できる)
‐ Observable(観察できる) = 誰が見ても、どんな行動化がわかる
‐ Riliable(信頼できる) = 誰が見ても、同じ行動だとわかる
‐ Specific(明確化されている) = 誰が見ても、何を、どうしているかが明確である
これら4つの要素がそろってはじめて、厳密にいうところの行動となります。

人が行動を起こすには、行動のための「条件」があります。
この「条件」の存在ゆえに人は「行動」し、「結果」が生まれます。
その結果が、また次の行動を促す(あるいは促さない)。
これが行動科学マネジメントでの「人が行動するしくみ」であり、次のような「ABCモデル」と呼ばれる概念でまとめられています。
‐ A(Antecedent)先行条件 = 行動を起こすきっかけ。行動する直前の環境
‐ B(Behaviort)行動 = 行為、発言、ふるまい
‐ C(Consequence)結果 = 行動によってもたらされるもの。行動した直後の環境の結果

行動科学マネジメントの行動コントロールとは、行動の「結果」をコントロールすることで、行動を発生させる、あるいはやめさせる、というものです。
行動を習慣化させたいのなら、「良い結果」を与える。
リーダー、マネジャーはこの考え方をぜひ覚えておいてください。

 

行動科学マネジメントの最大の特徴を簡単に言ってしまえば、それは「(マネジメント対象の)『行動』に着目し」「内面へのアプローチをしない」ということになります。
‐ 部下が仕事で成果を出すのは、成果を出す「行動」を取るから
‐ 部下を「できる人材」に変えるということは部下に「できる人の行動を取らせる」ということ
‐ 精神論や意志の力、気持ちの持ち方ではなく、「行動」を「しくみ」でコントロールする
‐ 「属人的」な仕事のやり方を廃し、誰もが同じように行動できるようにする = 標準化、再現性を重視
‐ マニュアル、チェックリストを活用する

 

「ほめるマネジメント」「相手を認めるマネジメント」は、今ではすっかりビジネス界に定着しているように見えます。
しかし、行動科学的な視点からは、間違ったやり方をしている人も多く見受けられます。
間違ったほめ方とは大きく分けて次の2つです。
‐ 相手の成果のみをほめる
‐ 相手の人間性に言及する
相手の成果をほめること自体は間違いではありません。
問題は成果のみをほめて、プロセスである行動を無視することです。

なぜ部下との対面接触回数を増やさなければならないか?
それは
部下が何をしているのか?
何をするつもりなのか?
何に困っているのか?
を逐一観察するため、ということです。

対面接触の回数が増えることで、信頼関係が構築されます。
対面接触には2つの種類があります。
ひとつは業務上の進捗管理を目的とした接触。
そしてもうひとつは部下の育成を目的とした接触です。

部下の価値観、すなわち動機付け条件を知ることも、接触回数を増やすことで可能となります。
部下が何をご褒美として働くのか。お金なのか?時間なのか?あるいは感謝の言葉なのか?社会への貢献なのか?

 

米国の心理学者ロバート・ザイアンスの提唱するザイアンス法則というものをご存じでしょうか?
人は面識のない相手に対しては攻撃的になるが、接触回数が多いほど、相手に対して親近感を覚える。
相手の人間的な部分を見ると、好意を持つ。
というもので、例えば「営業マンが成約を獲得するためには、顧客への訪問回数が勝負だ」「お客様には自分の家族の話をするべし」などどいうように、ビジネスの世界でもよく使われるものです。
マネジメントに関してもこの法則は当てはまります。
リーダー、マネジャーと部下との接触回数が多ければ、相手に対する親近感も増し、信頼関係が構築されます。
リーダー、マネジャーと部下の間に信頼関係がなければ、部下は本音を語ることもなく、自身が抱えている問題を明かすこともないでしょう。
それは逆の立場でも同様です。
リーダー、マネジャーが部下を信頼していなければ、部下に対して適切な指示を出し、相手に成果を出してもらおうという気にはなれないはずです。

継続した行動はやがて習慣となります。
行動科学マネジメントには物事は3か月続ければ、習慣となるという目安が設けられています。

1分ミーティングの最大のポイントは、文字通りミーティングの時間は1分という超ショートミーティングであることです。
‐ 部下の行動を把握
‐ 部下の価値観を確認
‐ 信頼関係の構築
これだけのことを1分でやれるわけがないと思うかもしれませんが、心配はいりません。
毎回の1分ミーティングで確認すべきは、行動の把握のみです。
価値観の確認、信頼関係の構築は言ってみれば、この1分ミーティングという接触機会、コミュニケーションのなかで自然に出来上がっていくものですので、そのための施策に時間を割くことを考える必要はありません。

行動科学マネジメントには系統的脱感作法というテクニックがあります。
これはいきなり大きなゴールを目指すのではなく、いくつものスモールゴールをクリアしていき、最終的な大きなゴールに辿り着くというもの。

1分ミーティングに限ったことではありませんが、部下の名前を呼ぶということは、リーダー、マネジャーにとってとても大切なことです。
リーダー、マネジャーが部下の名前を呼び始めると、そこに少しずつ行動が発生します。
部下が上司に相談を持ちかける頻度が大幅に高くなるのです。
なぜこうした変化が生じたか?
それは部下の存在承認欲求が満たされたからです。
特に今の若者に強い傾向ですが、人には他社に認められたいという承認欲求というものがあります。
SNSでいいねをもらえるのがうれしい、だから投稿に力を入れるというのは、まさにこの承認欲求を満たさんがための行いです。

 

ほめるところがあればほめるというのも、相手を認め、動機付けを与えるという面でもちろん大事です。
ただし、ほめるべきはなるべく相手の行動であるようにしてください。
相手の人間性をほめることも悪いことではありませんが、部下からすれば例えポジティブな内容にせよ、そこまで踏み込まれたくないと思う場合もあるのです。
これは叱る際も同様です。
叱る、注意すべきは行動であり、相手の内面を否定するようなことはしてはいけません。
また行動を把握し、間違った行動があればその行動を発生させないようにする、ということも1分ミーティング内でできる作業です。

 

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