ビッグデータ・ベースボール トラヴィス・ソーチック Kindle版 読了

ビッグデータ・ベースボール 20年連続負け越し球団ピッツバーグ・パイレーツを甦らせた数学の魔法 読了。

20年連続負け越していたパイレーツが勝ち越せた要因がビッグデータの活用だったというのがIT業界の人間としては興味深かった。
ピッチフレーミング(際どいコースをストライクと判定させるキャッチング技術)、極端な守備シフト、ゴロを打たせる投球の3つが2013年のパイレーツに13勝分に相当する効果をもたらした。
マネー・ボールも当時としては画期的だと思った記憶があるけど、今は収集できるデータの質も量も違っていて、それによって導き出される結果も多岐に及んでいた。
守備に関する指標が多かったのも個人的には良かったと思う。

これを読むときっとツーシームの練習がしたくなる(笑)

特に自分の中でなるほどと思ったことを備忘録として残す。

BaseballProspectus.comの分析官マイク・ファストによると、2011年にはピッチフレーミングを通じて1シーズン当たり15点から30点の失点を防いでいた優秀な捕手たちがいた一方で、1シーズン当たり約15点を失っている計算になる捕手もいたという。

奪三振率、与四球率、被本塁打数、死球に関しては、投手にかなりの責任があることを発見した。けれども、彼の考えが大胆だったのは、投手が許したヒットは主に守っている野手に責任があるとした点だ。そうだとすれば、投手の成績を判断する基準中の基準とされる防御率には、欠陥があるということになる。

メジャーリーグ全体で見ると、2013年には2007年と比べてアウトになる打球の数が1パーセント増えている。1シーズンに換算すると、出塁数が2540回減ったことになる。このような数字が、変則的な守備シフトの採用数の急増に拍車をかけた。

極端な守備シフト、ゴロを打たせる投球、マーティンの捕球術という隠れた価値は、2013年のパイレーツに13勝分に相当する効果をもたらした。

地元のチームの方が有利になる最も大きな理由は、一般的に考えられているものとは異なる。球場の広さでも、移動による疲労でも、馴染みのある環境でもない。審判の判定に及ぼす影響だ。

ホームのチームが有利になる理由はストライクかボールかきわどいコースの球で有利な判定をもらっているからで、それは主審が意識的にあるいは無意識のうちに、周囲の雰囲気に影響されているからだと結論づけて

「野球の世界において、ホームのチームとビジターのチームとの間の最も顕著な違いは、ホームのチームはビジターのチームと比べて打席当たりの三振の数が少なく、四球の数が多い─ ─ はるかに多いということだ」モスコウィッツは書いている。 モスコウィッツはまた、観客の人数が多いほど、歓声が大きいほど、審判の判定が─ ─ 意識してのことなのか無意識のことなのか─ ─ 揺れる傾向にあるという。

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