世界標準の子育て 船津徹 読了

世界標準の子育て船津 徹 読了。

自分の中でなるほどと思ったことを備忘録として残す。

 

子どもが自分の意欲でやろうとしていることを親が先取りする行為を「過干渉」と言います。
過干渉は必ず子供からやる気を奪い、自信を減退させます。
親は手だし、口出ししたい気持ちをぐっとこらえて、子どもを見守ることが大切です。
自由と制限、この2つをバランス良く与える子育ての実践が親には求められます。

 

一人の人格者としてのマナー、エチケットなど社会的責任を伴うことは厳しく指導します。
子どもが公共の場所で騒いだりすれば、親は即座に子どもをその場から連れ出し、毅然とした態度で行動を非難します。
人前で叱らないのは子どものプライドを潰さない為の配慮です。

 

知識をどう活用するか、答えのない問題をどう解決するか、それを考える力の育成がより重視されるべきです。
数値で評価できる知識や技術をハードスキルと言います。
一方で明確に数値化できない技術や能力をソフトスキルと言います。
論理的思考力、分析力、批判的思考力、問題発見力、問題解決力など、〇×テストで評価することが難しいスキルのことです。
世界の学校教育の主流はソフトスキルに移行しつつあります。
教科書を読めばわかる知識を教えることよりも、答えのない問題にどう取り組むべきか、考える技術を教えることが学校の役割だと考えられているのです。

 

相手の目を見て話をする、自分の考えを正確に伝える、人の話を最後まで聞くなど、そうした人付き合いのルールを教えるのは親の役割です。

 

子どもを家の外に連れ出してあげて一緒に身体を動かしたり、自然にふれあったり、いつもとは違う人たちと関わる機会をつくるのは父親が適任者です。
社会のルール、自分の仕事を精一杯することの大切さ、人付き合いの方法など、子どもが自立した大人に成長する過程で要求されるルールや生きる為に必要な知恵、技術、能力を教えるのは父親の方が向いています。
イギリスのニューキャッスル大学の「育児における父親の役割」調査によると、成長期に父親と多くの時間を過ごした子どもは知能指数が高く、社交性があり、より高いキャリアを得ることが報告されています。

 

勉強ができる子にするには、家庭で育てる基本的な資質がいるのです。
これをほったらかして学校任せにしていると、勉強に向き合えない子になり、学校生活を通して学業で苦労するようになります。
勉強ができる子の資質は
1)あきらめない子
2)自制心がある子
3)人の話を聞ける子
4)柔軟に思考できる子
5)正確さを追及する子
6)チャレンジを恐れない子
この資質を育てる責任者は学校ではなく、親です。

 

身内の悪口を聞かされて育った子どもは周囲の人をバカにするようになります。
このような子どもは学校で友達ができにくく、仲間はずれになりやすい、いじめの対象にされやすい、といった傾向があります。
身内への悪口は世界ではほとんど見ることのない日本の悪しき習慣です。
心当たりのある方はパートナーに対する悪口は即刻封印してください。
子どもの人格形式にゆがみをつくることはもちろん、夫婦間に亀裂を生みます。

 

子どもを新しい環境にチャレンジさせるときのポイントは手の届く範囲であること。
子どもの実力よりもはるか上の環境に入れてしまうと、自信喪失し、やる気を失うことがある。
ベストな選択は実力よりも少し高いレベルです。
少し上のレベルの環境に身を置くと、まわりから多くの刺激を受けます。

 

子どもが失敗を恐れるのは自然なことです。
しかし、失敗を恐れて挑戦しないと、そこで成長が止まってしまいます。
大切なのは親が、結果に寛容であること。
結果よりも努力することに意義があるという態度を保ちましょう。

 

根拠のある自信を育てる為には習い事をさせるべき。
始めた習い事は途中でやめさせず、10年単位で継続させることが重要。
根拠のある自信をより大きくしてくれるのが、継続だからです。
努力をしてきた子どもは、他のことも継続できる粘り強い精神を見つけることができます。
あらゆる分野の一流に成功の要因を教えてくださいと聞けば、返ってくる答えは一つで、継続することです。

 

子どもが男の子か女の子かでアプローチの仕方を変えると伸びが違います。
男の子はおだてて育てるのが基本です。
幼児から大人まで男性を動かすルールはこれだけです。
男の子は根が単純で上手にできたね、がんばったね、頼りになるね、かっこいいねとおだてられると嬉しくなり、やる気になって行動します。
女の子は親が手本やルールを提示してあげるのが基本です。
女の子は男の子よりも人間への関心が強く、人を観察する力が鋭いのです。
母親が子どもと信頼関係を築き、人生の先輩として立ちふるまい、礼儀作法、コミュニケーションの手本を示してあげると、そのとおりに真似してくれます。
お母さんがいつも笑顔で、明るく、礼儀正しく、人に優しくふるまっていれば、子どももそのとおりに育つのです。

 

男の子は女の子よりも競争心が強いという特徴があります。
○○しなさいではなくママと競争しようと言えば、たいていの男の子は乗ってきます。
一方、男の子へのNGワードは自尊心を傷つける言葉、貶し言葉、比較言葉です。
人前できつく叱ったり、グズだね、へただね、と貶したりしてはいけません。
男の子はプライドを傷つけられると、本当に言ったとおりにダメになってしまうというガラスのハートを持っています。

 

赤ちゃんの周囲に言葉という刺激が少ないと、言葉は生きる為に必要ないものと脳が認識してしまい、頭脳が言葉に対してあまり反応しないように育ってしまいます。
頭脳の配線工事は6歳までで90%が完成すると言われており、この時期は生きた言葉の刺激を大量に与えることが必要です。
親や周囲の人が子どもの世話や遊びを通して言葉をたくさんかけてあげれば、言葉に応じやすい頭脳が形成されます。

 

子どもの考える力を高める最高のアイテムは本です。
6歳までに本好きな子どもに育てることができれば、子どもの言語教育はほぼ成功と言ってよいでしょう。
子どもは読書を通して語彙を増やし、知識を増やし、理解力を深め、思考力を高めていくことができます。

 

子育ての悩みの一つにあるのが、文字をいつ教えれば良いか、でしょう。
その答えは子どもが小学1年生に上がるまでに本が読めるようにしておくことです。
子どもがストレスなく本が読めるようになるには最低1年かかりますから、逆算すると遅くとも5歳から文字教育を始めることが大切です。

 

文字を教え始める最適期は子どもが絵本に興味を持った時です。
一般的には3,4歳の頃です。
この時期の子どもに文字を教える時は遊びでなければなりません。
くれぐれも勉強や教育にならないように注意してください。

 

欧米の小学校では小学1年生になると、毎日30分の読書が義務づけられます。
この活動は小学校時代を通して続き、年間100冊以上、卒業までに1000冊以上を読破する子も少なくありません。
欧米では9歳が読書力を身につけるクリティカルピリオドだと考えられています。
9歳までに十分な読書力が身についていないと、具体的思考から抽象的思考へとシフトしていく授業内容についていけなくなります。
特に読書力が養われる小学校低学年の時期は少なくとも月に4-5冊は本を読むように子供を励まし、導いてください。

 

子どもが人生で最初に他者と信頼関係を築くのは母親です。
母親との関係が子どもの一生のコミュニケーション力を左右すると言っても過言ではありません。
この時期は良き母子関係が構築できるように母親をサポートするのが父親の大切な役割です。

 


産まれてきた赤ちゃんが最初にコミュニケーションを学ぶのは親です。
親との関係が人と関わる力を左右すると言っても過言ではありません。
親が豊かに言葉をかけ、歌いかけ、遊んであげると、赤ちゃんは人と関わることは嬉しい、楽しい、という経験を積むことができます。
この楽しい経験がコミュニケーション力の土台になります。

 

0-6歳の子どもに教えるコミュニケーション力で大切なのが感情表現です。
欧米人から見ると、日本人は感情表現が乏しく、表情から気持ちを読み取ることが難しいと言われます。
人間は感情表現が豊かな人に親しみを感じるので、人間関係をスムーズにするためにも表情は豊かでないといけません。
感情表現が豊かな子どもは人気者になります。
感情表現が豊かな子どもに育てるには、子どもの気持ちに親が共感することが大切です。
親が子どもの感情に対して何の反応もせず、心を通わせようとしないと、子どもは否定されたと感じ、人との関わりに消極的になります。

 

子どもの話を聞くときのポイントは目線を合わせることです。
上から目線ではなく、子どもと目線を合わせてうんうんと頷きながら聞きます。
時には身を乗り出して相槌を打つ。
親が聞き上手になると、子どもの側から、どんどん話をするようになります。

 

絵本の読み聞かせは聞く力を育てる上でも最高の取り組みです。
お母さんが絵本を読んであげると、子どもは安心してお母さんの言葉に聞き入ることができます。
絵本の世界に入り込むと、登場人物に感情移入して、喜びや悲しみを共有することを学びます。
この経験が共感して聞く力を育てます。

 

しつけの目的はみんなと楽しく快適に過ごす方法を伝えることです。
しつけがうまくいかないと悩んでいる親の多くはしつけではなく、押しつけをしてしまっています。
どう行動すればまわりの人と楽しく過ごせるのかを子どもに考えさせることにフォーカスしてください。

 

自分は勉強が得意だという自信が持てると、子どもが進んで勉強するようになり、学力がスムーズに定着します。
勉強が得意だという意識を持たせてあげることが、勉強ができる子にするための最大の秘訣です。
特に小学校低学年であれば、学習量が少なく、難易度も高くありません。
親が集中的にサポートすれば、子どもは勉強ができるという自信を短期間で取り戻すことができます。

 

勉強ができる子は自分はできるという自信があるので、投げ出さずに継続できます。
コツコツと継続すれば、誰だって一定以上の高い学力を見つけることができます。
結局、勉強ができる子とできない子の差は継続するか、しないかだけなのです。

 

家族で食事をすると大人と会話する機会が増え、それが子どもの知識、語彙力、コミュニケーション力を発達させてくれるのです。
特に父親との会話は、話題の幅が広がるので、子どもの思考力を大きく伸ばしてくれます。
ハーバード大学の調査によると、家族全員そろって食事をとる改定の子どもは、
1)成績が良い
2)語彙力と読書力が高い
3)高い学力を得る
4)情緒が安定している
5)対人関係が良好
6)親子関係が良好
7)喫煙、ドラッグ、アルコールの問題が少ない
8)肥満になることが少ない

 

話さなくなった子どもと雑談をするにはルールがあります。
1)子どもに話させようとせず自分から話題をふる
2)子どもが話題に乗ってきたら見逃さずに話題を広げる
3)話をさえぎったり、せかしたり、否定したりせずに最後まで聞く
4)上から目線で話をしない
5)話しやすい環境をつくる

欧米では子どもがティーンエイジャーになると、「Keep kids busy / 忙しくさせておく」ことを心がけます。
部活、塾、ボランティア、アルバイトなど多くの活動に参加させて、多様な人付き合いをしているとイライラが分散するのです。
また忙しければ、無用なトラブルに巻き込まれることも少なくなります。
またもう一つの対策として「タイムマネジメント / 時間管理」を教えてください。
自分のスケジュールを自分で管理できるように導くのです。

 

親は子どもの一番の応援団であるべきなのです。
子どもの強みや良い面を親が見つけて、認めて、応援してあげないと子どもはやる気を失います。
強みが親の期待通りでないくても、必ず認めて、応援してあげてください。
そして強みをさらに大きくするために新しい環境に入れたり、その技能を伸ばすチャンスを与えてください。
子どもの強みや夢中になっていることを親が応援して、伸ばしてあげる。
強みが大きくなれば、自信も大きくなり、子どもはやる気を取り戻します。

・親が子どもと一緒のことをする時間を持つ
・指示、命令、小言、説教をやめて人間同士のコミュニケーションを心がける
・子どもの強みや好きなことを見つけて親が応援する

 

 

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