短期間で社員が育つ「行動の教科書」 石田淳 読了

短期間で社員が育つ「行動の教科書」 石田淳 読了 読了。

自分の中でなるほどと思ったことを備忘録として残す。

 

 

7割を超える企業が人手不足を感じている。
人が足りない時代にやっと採用できた人材が思うように育ってくれないとか、手塩にかけて育てたつもりがすぐに辞めてしまうということが、あちこちで起こっている。
企業の経営陣や人材育成の担当者、部下を持つマネージャーがすべきことは、少なくともいい人材を確保できないと嘆くことではない。
一刻も早く、すでにいる人材の活用に着手すべき。

ビジネスの現場における従業員の能力に着いて、古くから「2:6:2の法則」が言われている。
どのような企業でも2割のできる人、6割の普通の人、2割の仕事ができない人によって構成されている。
多くの企業では2割のできる人が全体の売り上げの8割を稼いでいると言われている。
できる人を採用するのではなく、6割の普通の人や2割のできない人の底上げをして、活用していかなくては生き残ることはできない。
人が結果を出せない時の理由は2つしかない。
結果を出すためのやり方がわからない。
やり方はわかっていても結果が出るまで続けることができない。

行動科学マネジメントでは「MORSの法則」によって行動を規定しています。
MORSの法則は具体性の法則とも呼ばれ、次の4つの要素からなっています。
M=Measurable (計測できる)
O=Observable(観察できる)
R=Reliable(信頼できる)
S=Specific(明確化されている)
行動の教科書を作成するにあたっては、MORSの法則に従って徹底した具体化を図っていきます。
特にMeasurableがは重要です。
日時、期限、回数、金額などできる限り数値を出して行動を示します。
それによってできているかいないかの評価が確実に公平に行えるからです。

あなたの会社の8割の人たちは、一連の仕事をスタートからゴールまでまとめて理解できてはいません。
行動の教科書を作成する時に大事なのは、仕事の流れを美しく表現することではありません。
活用する側の成長段階に合わせて、必要最低限の要素から教えていきましょう。

行動の裏にある、目に見えない思考プロセスについて知るにはインタビューが基本になる。
できる人の思考プロセス5つのフレームワーク。
1.最終ゴールとそこに至る複数の小さなゴールの想定
2.小さなゴールに至る日々の行動を聞き取る
3.行動の意図を読み解く
4.意図を実現するために無意識に行っていることと考えていることを想定
5.再現性の検証(できる人個人の背景に依存しているものは除外する)
ハイパフォーマーがある望ましい行動をとっているとき、その前後にどういう思考がなされたか、5つのフレームワークを使って調べる。

ハイパフォーマーは必ずやっているのに、そうではない人たちに抜けている行動こそ、業績に直結している可能性があります。
業績に直結する行動を、行動科学マネジメントではピンポインと行動と呼びます。
ピンポイント行動を厳選して伝えていくのが効率的です。

スローガン言葉を行動の言葉に変える。
例えば、菓子販売の職場なら、「お客様の立場になって試食販売をする」という書き方ではなく、「お客様は試食中にじっと見られると落ち着かない気持ちになり、購入につながりにくい。
試食中はお客様の口元から5-10センチぐらい目をそらす。」などと誰もが同じことができる行動の言葉で書きましょう。
行動の言葉で説明するときは難しい言葉は避けて、小学5年生に通じるような言葉で説明する。

従業員のいい行動がすっかり習慣となり、それによっていい結果がもたらされるまでには行動変容が必要になります。
行動変容理論の行動変容ステージモデルでは人が行動を変える場合、次の5つのステージを通過すると考えています。
1.無関心期=6か月以内に行動を変えようと思っていない
2.関心期=6か月以内に行動を変えようと思っている
3.準備期=1か月以内に行動を変えようと思っている
4.実行期=行動を変えて6か月未満である
5.維持期=行動を変えて6か月以上である
実行期から維持期に移行していければ、かなりの確率でそれを習慣化できます。

人に望ましい行動を繰り返してもらう仕組みに着いて、行動科学マネジメントでは「ABCモデル」という概念で説明しています。
A(Antecedent)=先行条件
B(Behavior)=行動
C(Consequence)=結果
私たちが人間が最初に何かの起こすのは「A(先行条件)」によります。
これは誘発刺激と言い換えることができます。
白髪が気になったから髪を染めたなど。

できなかった行動ができるようになったら、成長のグラフをつけていく。
グラフは自分の成長を実感できるものであることが必須。
他社と比較したり、できなかったことを反省するためのものではない。
そこで、右肩上がりのグラフになるようにする。
望ましい行動が取れたら、それが蓄積される形式にする。

従業員の望ましい行動を増やすフィードバックで、最も効果的かつ簡単なのが褒めること。
人間は社会的生き物であり、周囲からの承認が行動の大きな動機付けとなる。
行動に着目し、○○ができたことが素晴らしいと、具体的な行動を褒める。

 

 

 

 

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