40歳を過ぎても「会社に必要とされる人」でいるための学ぶ技術 石田淳 読了

40歳を過ぎても「会社に必要とされる人」でいるための学ぶ技術 石田淳 読了。
自分の中でなるほどと思ったことを備忘録として残す。

 

 

スキルアップでもマネジメントでも、何かを確実に成し遂げようとしたときに「やる気」という曖昧なものを拠り所にしてはいけない。
それが成し遂げられる「行動設計」、「仕組み」を作り、その通りに行動することが最も知的な振る舞いです。
人がある結果に到達できるのは、その為の小さな行動が積み上げられたからです。
心の状態などに関係なく、その行動を積み重ねることこそが重要であると考え、どうしたらその行動を積み重ねるための仕組みを作れるかにフォーカスする。
これが行動科学マネジメントのメソッドです。

 

学ぶ理由は教養を身につけるためではなく、仕事で成果を上げるためです。
いかなる状況でも必要とされる人材になるためです。
早く何かを始めなくちゃと焦ってはいけない。

 

何を学ぶかを考える場合に重要な物差しが2つある。
まず考えるべきなのは、皆が当然のようにできていることができないようではダメだということ。
加えて、誰でもできることをできてもしょうがないということ。

 

学ぶ目的が決まったら、目標を設定しましょう。
重要になるのは、目標を数値化することと、ハードルを低めに設定しておくことです。
目標というのは明確でなくては目指せませんし、到達できたのかも検証できません。

 

目標というのは美しい言葉で飾られたふわふわとしたものではありません。
その為に必要な行動が繰り返された結果、辿り着くことのできる明確なゴールのことです。
目標が達成されるかどうかは、ひとえにその行動が取られ続けたかどうかにかかっています。
行動科学マネジメントでは「MORSの法則」によって行動を規定しています。
M=Measurable (計測できる)
O=Observable(観察できる)
R=Reliable(信頼できる)
S=Specific(明確化されている)

 

目標数値の設定は最初から高くしすぎないことが重要です。
物足りなく感じるくらいにしておきましょう。
予想していたよりも勉強が順調に進み、目標を上方修正するというのは非常に心地よいもので、自分の中に強い自己肯定感が生まれます。
物事は続きさえすれば、成果が出ますが、続けることが非常に難しい。
「そこまでやらなければならないのか」と感じてしまうような高すぎる目標設定は続けることをためらわせます。

 

人はどうして望ましい行動を繰り返すのか。
人が行動する理由について行動科学マネジメントでは「ABCモデル」という概念を用いて考えます。
A=Antecedent(先行条件) …目が悪い
B=Behavior(行動) …眼鏡をかける
C=Consequence(結果) …よく見える

 

人が行動を変える場合、5つのステージを通過すると考えられています。
無関心期 = 6か月以内に行動を変えようと思っていない。
関心期 = 6か月以内に行動を変えようと思っている。
準備期 = 1か月以内に行動を変えようと思っている。
実行期 = 行動を変えて6か月未満である。
維持期 = 行動を変えて6か月以上である。
つまり6か月続いて、ようやく維持できているということになる。

 

行動設計には次の要素がある。
1.スケジュールの組み方
2.スモールゴールの設定
3.リインフォース
4.環境づくり
5.ツールに頼る

 

 





最初の3か月ほどはごくゆるめにスケジュールを組んだ方が良い。
例えば、週に2,3回、1回15-30分ぐらいで週に30-90分。
最初の3か月でぜひ身につけたいことはこれなら続けられるという感覚。
勉強の内容よりも行動の習慣化を最優先する。
3か月を無事に続けられたら、勉強時間を増やしてみる。

 

800ページの専門書を800ページの塊として考えると、誰でもうんざりしてしまう。
800ページを読破するというビッグゴールを目指すのではなく、10ページのスモールゴールを80個作ると良い。

 

短い時間で勉強をこなし、スモールゴールを上手に設けて達成感を得ていくために、勉強内容を分解していく必要がある。
スモールゴールに到達するまでにもいくつかの小さな行動の繰り返しが必要になる。
それらの必要な行動を決めた時間に割り振っていく。
割り振った通りに勧められない時は修正すればよいだけ。
漠然とビッグゴールに向かっているのでは、修正のチャンスさえつかむことができない。
達成感を得る場でもあり、修正を行える場でもあるスモールゴールは多ければ多いほど良い。

 

何かを続ける上でやる気に頼るのは愚の骨頂。
人の意思は弱いという前提に立って行動を設計しなければならない。
スモールゴールに到達したら、達成感を味わうために自分にご褒美をあげましょう。
スモールゴールをたくさん設定しておけば、それだけご褒美も多くなり、勉強が楽しくなります。

 

行動科学マネジメントでは自ら取った行動によって得られる結果を3つの座標軸で考える。
1.タイプ=ポジティブ(P)か、ネガティブ(N)か
2.タイミング=即時(S)か、後から(A)か
3.可能性=確か(T)か、不確か(F)か
ご褒美はPST良い。今日は勉強したから缶ビールを2本飲む、おいしいなど。

 

どんな場でもすぐに短時間で勉強に集中する為には、勉強道具が取り出しやすい状況であることが求められます。
パソコンを立ち上げないとできないというのでは、それだけでハードルがぐっとあがってしまいます。
通勤電車やカフェなどで細切れの時間を使って勉強する方法も考えておきましょう。
持ち歩くのが簡単で鞄からすぐに取り出せるような勉強セットを作っておくとよいでしょう。

 

勉強に限らずビジネスでもうまくいく人といかない人の間にはそれほど能力差があるわけではありません。
ただ、小さな習慣の違いは見て取れます。
うまくいっている人は、普段から無理をしません。
ハードルが高すぎることは上手にスルーし、ちょっと頑張ればできるくらいのことを見極め、成功体験を重ねているのです。

 

私たちはできそうだと感じたことはほとんどできるし、できないかもしれないと思ったらできません。
このできそうだという思いを心理学の専門用語で自己効力感と呼びます。
自己効力感は次の4つの要素によって、生まれやすくなると言われています。
1.自己の成功体験=これまでに同じようなことでうまくできた経験があること。
2.代理的経験=他人がうまくこなすのを見て、自分もできそうだと思うこと。
3.言語的説得=自分にはその行動をうまくできる自信が無くても他人からあなたならできるよなどと言ってもらうこと。
4.生理的。情動的状態=達成感や喜びによって起きる変化。

 

2時間勉強しようと思っていたのに、15分しかできなかったということもあるでしょう。
予定の12.5%ですが、ゼロよりも確実に前進しています。
もちろん100%できたら理想ですが、人間はなかなか思ったようには動けません、
邪魔が入らなくても、自分自身どうしてもやる気になれないということもあって当然です。
そんな時は15分でもやって、価値があったと考えてください。
一歩でも動けば、ゼロよりもずっといいのだから。

 

 

 

 

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